グルメサイト「食べログ」の口コミで、チェーン店であることを理由に不当に評点を下げられたとして、焼き肉店の経営会社が、食べログを運営する「カカクコム」(東京)を相手取り、約6億4千万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。第1回口頭弁論が11日あり、食べログ側は請求棄却を求めた。
訴えたのは、焼き肉チェーン店を首都圏などで20店舗以上経営する「韓流村(はんりゅうむら)」(東京)。訴状によると、すべての系列店の評点が2019年5月に平均約0・2ポイント低下し、表示順位が下がってアクセス数や売り上げが減った。原告の独自調査では、別の会社が運営する喫茶店や居酒屋チェーン店(44店舗)の評点も、同時期に平均約0・2ポイント下落していたという。
原告は、食べログ側が、サイトの検索結果で目立つ場所に来るようにする「高額契約」に切り替えさせるために、評点を下げたと主張。「優越的な立場を利用した不当な取引だ」と訴えている。
食べログ側は「コメントは控えるが、今後も利便性向上とサービス拡充に努める」としている。
食べログなどグルメサイトをめぐっては、公正取引委員会が今年3月、サイトに加盟する飲食店の約3割が表示順位に不満や疑問を感じているとの調査結果を公表。表示順位について「透明性を確保することが望ましい」と指摘した。(新屋絵理)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル